2025/11/20 13:49

藺草(いぐさ)を編み上げた、新作の椅子をご紹介します。
制作したのは、これまでに1000脚以上の椅子を手がけてきた木工職人、有馬博人(Hiroto Arima)氏。
当店では、今回の展示期間中( 11.21 - 11.30 )のみ、この椅子をご注文いただけます。本記事では、藺草という素材と向き合い続けて生まれた一脚について、制作の背景と、素材に込められた視点 をお伝えします。
一 素材を触り体感することでイメージされる形がある。
慣れ親しんだ素材は一層思いが込められる。
初めに抱いたイメージは揺れることなく形に成った。
今回の制作は新しい形を築くというより、
" 藺草(いぐさ) "という素材の理解を深めることで
引き出される素材の 本質 と向き合い、
これまでの職人としての記憶と感覚を
椅子の形に落とし込んでいく、
そんな制作過程となったそうです。


”当初の座面づくりは、1日10時間の作業を5日間。
失敗だと分かっていても、最後まで編み切らないと正しい形は見えてこない。”
そう語る有馬さんの言葉からは、素材と向き合う誠実さが、まっすぐに伝わってきます。

藺草は、古くから日本の暮らしを支えてきた素材。
その藺草を、ロープ状に束ね、丁寧に組み上げた座面は、畳を連想させる織りを表現しています。
触れたときに “さらり” とした感触、そしてどこか懐かしい香り。
椅子に腰掛けた瞬間、
幼い頃に感じた畳の温もりにそっと触れるような
静かな安心感が広がりました。
◼︎4つ脚の椅子 | オーク(ガラス塗装) 藺草
有馬さんはこれまでに1000脚以上の椅子の製作してきました。
多様な素材と向き合い続け蓄積された経験が
椅子の座り心地、織りの美しさ、洗練されたシンプルな構造へと表れています。

木部がまとう“美の断片”
木部の意匠には、有馬さんの記憶に残る美しいモノの情景が織り込まれています。
• 筆先が生む線の揺らぎ
• 暗がりでゆらめく蝋燭の炎
• 日本人形の滑らかでふっくらとした肌感や指先の色気
どれも日本人が古くから大切にしてきた合理的な構造と、情緒的な美しさです。
これらは藺草が持つ"美しさ"が土台となり、
紐付き、
形と成りました。


今回の個展では、藺草の椅子をはじめ、
スツールやテーブルなど有馬さんの代表作を揃えた受注会となります。
【 有馬さんの家具は、本受注会期間中に限りご注文を承っております 】
藺草の香り、木部の静けさ。
有馬さんの藺草の椅子が放つ " 佇まい "を
肌で、香りで、是非体感してください。
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Hiroto Arima Solo Exhibition
▶︎会期:2025.11.22(sat) - 11.30(sun)
▶︎在廊日:11.22(sat)
▶︎会場:CONCEPT STORE A.
11:00-18:00 |火休
◼︎スツール | 鉄媒染 藤





